はじめに

取引先に関して経営者の方が考えなければならないことは多くあり、中でも連鎖倒産・黒字倒産を回避するために、多くの時間を費やされているのではないでしょうか。

また、チャンスがあっても売掛債権の焦げ付きを考慮すると取引拡大にいま一歩踏み出せない、とお悩みの経営者の方もいらっしゃると思います。

このページでご紹介する「取引信用保険(通称:取信)」は、貸し倒れ事故リスクに備える保険です。貴社の与信管理にお役立て頂けましたら幸いに思います。

 

「取信(とりしん)」って?

御社のお取引先が民事再生法や破産などの申し立てを行いますと、売上債権が焦げ付いてしまいます。その焦げ付いた売上債権を埋め合わせることが出来るのが取引信用保険、通称:取信(とりしん)です。

欧米では専門の保険会社があるほどメジャーな保険で、日本では1997年に第1号が発売されました。

取信は保険会社によって保険料水準や補償できる金額にかなりの違いがあり、また、契約者の取引先の信用リスクをカバーするものですから、一般の事業向け保険と違い、契約者自身の規模や業績が保険料に必ずしも反映しないのが特徴です。

 

 

 

取信のメリット1:安全に取引拡大を図ることが出来る

商品の売上債権が焦げ付いたからといって、原材料の買掛金や給料の支払いなどは待ってくれません。そんな時に取信から保険金を早期に受け取ることができれば、資金繰りがショートする心配は軽減されます。

 

 

 

 

取信のメリット2:取引先の経営状態が確認できる

特に、取引実績のない新規取引先の与信管理は、細心の注意を払っても見極めが難しく、与信管理者にとって悩ましいところと思います。

取信では、お見積り時に保険会社側でお取引先ごとに一定の審査を行い、信用区分を4区分に分けます。保険会社側で行った区分分けについて、審査の経緯・理由等をご説明するわけにはまいりませんが、これこれの会社は保険でのお引き受けが難しい、という情報は、結果的に御社の与信管理の参考材料としてお役立ていただけると思います。

 

 

 

取信のメリット3:与信管理コストが削減できる

与信限度額の見直しや新規与信チェック等には、人件費を含めて相当のコストがかかります。取信の加入は、いわば与信管理部門のアウトソーシングであり、一定のコスト削減が可能です。

取信では支払い限度額の高低によりご予算に応じた加入パターンを選択でき、全取引先を対象とせず「売上高上位20社」など一部取引先を対象とすることで保険料の調整が可能です。

※一部の取引先を対象とする場合の選定基準について
保険の対象とする取引先は、最低15社から設定出来ます。また、「売上高上位20社」など、選定基準が客観的基準に基づいていれば、一部の取引先を保険の対象とするご契約も可能です。ただし、例えば「信用に不安のある取引先だけをピックアップして対象とする」というご契約は出来ません。また、客観的基準に基づいていても、例えば「設立10年未満」、「非上場企業のみ」というような、信用力と関連性の強い条件での選定は出来ません。選定可否のご相談には個別に応じて参りますので、どうぞお気兼ねなくお問い合わせください。

 

 

取信お見積もり作成までの流れ

取信お見積もりの作成には、御社の債権残高が分かるお取引先のリストと、過去の貸し倒れ実績等を開示いただくためのインタビューシートをご提出いただきます。

ご提出いただいた書類をもとに、保険会社側で全お取引先ごとの信用区分判定を行い、信用区分を4区分に分け、区分に応じた支払い限度額を設定させて頂きます。(お見積もり時点ですでに延滞が発生しているお取引先はお引き受け出来ません。)

取引信用保険はお見積り時もそうですが、保険期間中に新規お取引先を保険対象として追加するごとに、保険会社が信用調査を行う保険です。当然ながら、お取引先が信用調査のご依頼主を知ることはありません。また、お見積りに際して一切費用をいただいていません。無料です。(2020年3月現在)