はじめに

取引先に関して経営者の方が考えなければならないことは多くあり、中でも連鎖倒産・黒字倒産を回避するために、多くの時間を費やされているのではないでしょうか。

また、チャンスがあっても売掛債権の焦げ付きを考慮すると取引拡大にいま一歩踏み出せない、とお悩みの経営者の方もいらっしゃると思います。

このページでご紹介する「取引信用保険(通称:取信)」は、貸し倒れ事故を補償する保険です。貴社の与信管理にお役立て頂けましたら幸いに思います。

 

「取信(とりしん)」って?

御社のお取引先が民事再生法や破産などの申し立てを行いますと、売上債権が焦げ付いてしまいます。その焦げ付いた売上債権を埋め合わせることが出来るのが取引信用保険、通称:取信(とりしん)です。

欧米では専門の保険会社があるほどメジャーな保険で、日本では1997年に第1号が発売されました。

取信は保険会社によって保険料水準や補償できる金額にかなりの違いがあり、また、契約者の取引先の信用リスクをカバーするものですから、一般の事業向け保険と違い、契約者自身の規模や業績が保険料に必ずしも反映しないのが特徴です。

 

 

 

取信のメリット1:安全に取引拡大を図ることが出来る

商品の売上債権が焦げ付いたからといって、原材料の買掛金や給料の支払いなどは待ってくれません。そんな時に取信から保険金を早期に受け取ることができれば、資金繰りがショートする心配は軽減されます。

取引先が民事再生法の申請などの法的な手続きを行う場合であれば、配当金が決まって最終的な損失が確定した時、もしくは、受取手形や請求書などで貸し倒れとなった金額の確認ができた時に保険金をお支払いします。

法的な倒産に限らず「取引先の夜逃げ」などの延滞事故※のケースでも、未回収債権額が確定した売上債権は保険の対象となります。

※延滞事故の場合の保険金支払いについて
取引先の代金支払遅延が最初に発生した時点から10日以内にまずご通知いただき、支払期日から3ヵ月間をすぎてもまだ代金の支払いを受けられず、さらに今後も支払いを受けられる可能性がないと保険会社が判断した時点で保険金をお支払いします。なお、対象となる売上債権は、最初の支払遅延が発生してから1ヵ月以内に発生した売上債権までとなります。

 

 

 

 

取信のメリット2:取引先の経営状態が確認できる

特に、取引実績のない新規取引先の与信管理は、細心の注意を払っても見極めが難しく、与信管理者にとって悩ましいところと思います。

取信では、お見積り時に保険会社側でお取引先ごとに一定の審査を行い、信用区分を4区分に分けます。保険会社側で行った区分分けについて、審査の経緯・理由等をご説明するわけにはまいりませんが、これこれの会社は保険でのお引き受けが難しい、という情報は、結果的に御社の与信管理の参考材料としてお役立ていただけると思います。

 

 

 

取信のメリット3:与信管理コストが削減できる

与信限度額の見直しや新規与信チェック等には、人件費を含めて相当のコストがかかります。取信の加入は、いわば与信管理部門のアウトソーシングであり、一定のコスト削減が可能です。

取信では支払い限度額の高低によりご予算に応じた加入パターンを選択でき、全取引先を対象とせず「売上高上位20社」など一部取引先を対象とすることで保険料の調整が可能です。

※一部の取引先を対象とする場合の選定基準について
保険の対象とする取引先は、最低15社から設定出来ます。また、「売上高上位20社」など、選定基準が客観的基準に基づいていれば、一部の取引先を保険の対象とするご契約も可能です。ただし、例えば「信用に不安のある取引先だけをピックアップして対象とする」というご契約は出来ません。また、客観的基準に基づいていても、例えば「設立10年未満」、「非上場企業のみ」というような、信用力と関連性の強い条件での選定は出来ません。選定可否のご相談には個別に応じて参りますので、どうぞお気兼ねなくお問い合わせください。

 

 

取信お見積もり作成までの流れ

取信お見積もりの作成には、御社の債権残高が分かるお取引先のリストと、過去の貸し倒れ実績等を開示いただくためのインタビューシートをご提出いただきます。

ご提出いただいた書類をもとに、保険会社側で全お取引先ごとの信用区分判定を行い、信用区分を4区分に分け、区分に応じた支払い限度額を設定させて頂きます。(お見積もり時点ですでに延滞が発生しているお取引先はお引き受け出来ません。)

取引信用保険はお見積り時もそうですが、保険期間中に新規お取引先を保険対象として追加するごとに、保険会社が信用調査を行う保険です。当然ながら、お取引先が信用調査のご依頼主を知ることはありません。また、お見積りに際して一切費用をいただいていません。無料です。(2011年11月現在)

 

 

よくあるご質問

Q:世間一般にみんな入ってる保険なの?
A:2010年ころまで、加入できる企業規模が限定されたタイプが主流でしたが、現在は企業規模を限定せずに引受けするタイプが一般的となり、多くの企業に利用されています。

 

 

Q:取引先は全社包括付保が条件なんだよね?ファクタリングでは選択付保できるけど…
A:個々に信用力の異なる取引先を包括的に引き受けることによって低い料率で補償を提供するのがこの保険の特徴です。具体的には、一般的なファクタリングの保証料率3~8%に対して取信(簡易版)の保険料率は2~2.5%程度に設定されています。(保険料レートは企業倒産動向と損害率等を勘案し都度変更されますが、保険期間中に契約時の保険料レートが変更されることはありません)また、包括といっても、債権残高、取引先の売上高など、ある一定の基準に従った一部付保は可能です。

 

 

Q:保険対象債権が「継続的商取引」とあるけど、どのような契約のことを指すの?
A:「年間複数回反復して取引がある」、「代金決済条件が一定」、この2つの条件をどちらも満たす契約のことを指します。(決済期間が180日を超える取引先は対象とできません)

また、保険の対象は保険期間中に生じた債権ですので保険加入時の保有債権は保険の対象となりません。

 


Q:保険対象となる代表的な債権(契約)は?
A:以下のような債権契約が対象となります。
・売買契約
・販売委託契約(例:書籍販売契約)
・委任契約・請負契約(例:製品加工契約)
・賃貸借契約(例:レンタル契約)

 

 

Q:逆に、保険対象にできない債権(契約)は?
A:以下のような債契約は保険対象になりません。
・海外所在企業向け債権

  →輸出信用保険の範疇となります
・契約者の関連会社(親会社・子会社)向け債権
・官公庁・地方自治体向け債権
・賃貸借契約(契約期間が長期のもの)

  →レンタル契約等の短期契約は対象にできます
・融資契約
・債務保証契約
・有価証券、手形小切手、先物、不動産の売買契約
・リース契約・割賦販売契約
・決済期間が180日を超える契約
・スポット(単発)取引である契約

  →建設請負契約の大半はここに該当します
・フランチャイズ契約

 

 

Q:取引先が個人事業主の場合は保険対象外?
A:過去の延滞歴を告知いただき、「過去の延滞歴なし」であれば保険対象にできます。

 

 

Q:告知書で「過去の延滞(支払遅延)あり」の取引先は?
A:引き受け対象外となります。

 

 

Q:保険料の目安は?
A:保険金の年間お支払い限度額×決定料率=保険料、となります。例えば「年商3億・債権残高5000万円・取引先総数30社・保証対象30社」で保証の上限額を400万円(全取引先一律)、支払い限度額の合計を2500万円と設定し、決定料率が2.5%でしたら、2500万円×2.5%=年間保険料62.5万円、となります。このように決定料率が固定レートとなるため、料率決定後はニーズ・ご予算に合わせてご自身で簡単に再設計、再試算することができます。

 

 

Q:保険料の分割払いはできる?
A:可能です。

 

 

Q:一部の取引先だけ保証限度額を引き上げたい。個別の調整はできるの?
A:一部の取引先だけ保証限度額引き上げる/引き下げるといった個別の調整はできません。